アニメーションとCGって何が違うの?
1個聞いてもいいですか?
なんでしょう?
CGって「リアルがちなアニメって意味じゃないですかぁ?」
違います。「コンピュータグラフィック」です。
なんにしても、CGってなんですの?
パソコンで絵が描ける
いや、それはわかるんですけど。
実写映画とかにね、CG使ってリアルに見せるってのはわかるんですけど・・。なんだろう、たまにアニメにCG使ってますとか
フルCGでーすとかって宣伝されることあるじゃないですか。
でも、最近のアニメって明らかに手書きじゃないですよね(笑)CGって何のために使ってんの?って思って・・
なるほどね。CGってのは、3Dなんですよ。三次元に絵を描くんです。
いきなり難しいこと言われてもですね・・・
例えば、算数の授業で「立方体」を書いたりしましたよね?
あ~。書きましたね。奥行きを斜めで書いて・・・、ちょっと苦労した覚えがあります。
でも、あれは「立体に見える風」なんです
見えるんですか?風なんですか?
ごほん。立体に見せる描き方ってだけで、実際には紙の上に描いているわけですから2D(二次元)なんです。
言われてみればそうですね。確かに立体的に見えるだけですね。
ところがどっこい、3Dに絵を描くってのは少し違う。
あ~。紙に書くのでなくて、空間の中に描く感じですか?
その通りです。
瓶詰めの船を作るような感じですか。描くのを想像するだけで、吐き気がするんですけど。
ボトルシップというやつですね。
参考)ボトルシップ
CGってのはボトルシップってのはわかりました。で、なんでアニメーションに使うのですか?
なんか違うけど。まぁいいや。
使いたくなる理由は知らんけど、1つ言えるのは、「カメラワークが自由になること」ですね。
そっか。ボトルシップを一回作れば、360°どこからでも写すことができますね。
だから、アニメで使用されるCG箇所って、飛行シーンとかで、崖の下から上の方にアングルが変わっていくような、 シーンに多いですよね。
そうなんですね。じゃあ、リアルマテリアルの再現のためのCGではなくて、3Dで描いて手書きじゃとても再現できないような カメラワークをするために使用するってことですね
だと思いますけど。ただ、アニメのCGシーン、特にアングルが大きく変わるシーンって見ていて違和感を感じませんか?
酔いそうになります
そんなにですか。実はCGの場合、とってもリアルすぎるのですね。
リアルすぎるとは?
例えば、CG登場前のアニメーションでも、いろんなアングルだったり、電車からの風景だって あったわけです。でも、それは、昔から美術分野で活躍していた偉い人たちが「遠近法」だの なんだのっていうのを確立してたからなんですね。
遠近法って聞いたことあります。
遠近法ってのは、人が見たとき、自然に見えるように、物の大小を付けて描いたり、 動きのあるアニメーションであれば、遠くの景色をゆっくり動かすといったような手法をとられてきました。
それだけ聞くと当たり前じゃんと思うのですが?
ですが、そんな当たり前ではないんですね。
たとえば、自分の手のひらを遠くの方から段々と近づけてみてください。
そりゃ、近づけば、おっきく見え・・・・、だんだんと大きく見え・・・・、いやいや、大きく、見え・・・ ないですね。
そうでしょ。人間の画像処理ってのはよく出来ているのか、バグだらけなのか、かなり「補正」された状態で 目から入った情報を認識します。
なんでそんなことになってんの?
なんででしょうね。でも、それが自然なんです。
でも、同じように手のひらをカメラに向けてだんだん近づけます。するとどうなりますか?
でっかくなりますね。
その通り。つまり、リアルに物事を写すと、近づけたら大きくなるってのが正解なんです。
で、CGの話に戻りますね。
CGの場合、遠近法とか自然に見える手法で描くわけではないんです。リアルがちで3次元の物を描きます。で、
カメラをぶんぶん動かす。
逆に不自然な映像ができあがると・・・
そういうことですね。
それって使う必要あるんですか?
それは知らん(笑)。ただ、技術革新の余白はあるでしょうね。知らんけど。
濃いような薄い話でしたね。